9/20/2007

Rascal Flatts Concert

今まで、レストランやワインといったある意味差しさわりのない話ばかりを書いてきましたが(とはいっても普段よりもかなり毒舌なコメントも多いですが^_^;)、少しは自分が普段から考えていることも書いてみようかという気になりました。ビジネススクール在学中は、日常生活から友人たちと冗談を混じらせながら、議論する機会が多かったのですが、東海岸に移って以降はその機会がなくなり、物足りないのかもしれません。今回、東海岸で本当の一人暮らしを始め、大学時代のフランス留学以来久しぶりに自分のminorityぶりを肌身で感じています。アメリカに滞在、といっても、住むエリアと付き合う人々とその時の潮流等々で、全く経験することが異なり、私は内省することが多いです。。。


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最近、ビジネススクール時代の友人に誘われて、Rascal Flattsのコンサートに行きました。その友人はカントリーミュージック好きで、相当な数のコンサートに行っているのですが、私はアメリカでコンサートに行くのも、カントリーミュージックのコンサートに行くのも初めての経験。DCエリアに滞在中は出来る限り色々な経験をしてみたいと思っていたので、この誘いには飛びつきました。


私は色々な音楽を聴きますが、カントリーミュージックだけは今まで全く関心を持っていなかったため、コンサート当日まではRascal Flattsの名前すら知らなかったのです。コンサートで知っている曲をたくさん聞いた後、本当に恥ずかしいなあと思ったのですが・・・。


私の初コンサート体験は、コンサート開始時間が20時にもかかわらず、15時から始まりました。まず、コンサートに行くメンバー6人が友人の家に集まり、ビールやワインを飲んでくつろいだ後、夕食の買出しです。コンサート会場のNisssan Pavilionは飲み物・食べ物の持ち込みが禁止ということで、駐車場でみんなでサンドウィッチでも食べようという友人の提案。この時点で、私は今後どうなっていくのか楽しみでもあり、多少不安でもあったのですが、その微妙な気分はスーパーでturkey hamを2ポンドも買おうという時点で倍増。大量の食べ物と飲み物に囲まれ、6人を乗せたきつきつのSUVは17時ごろコンサート会場に向けて出発しました。



多少の渋滞の後、18時頃に着いたNissan Pavilionの駐車場は既に車で一杯。まだ日差しが強い中、観客はビールを飲みながらBBQをしていたり、フリスビー等ゲームをしていたり・・・。コンサートに来ているのだか、ピクニックに来ているのだか・・・。入り口の近くにいた人たちは明らかに昼頃から来ていたのではないでしょうか?当初は困惑してしまったのですが、いずれにしても楽しい時間をすごすことが重要なので、別にコンサート会場で何をしていようと構わないのですよね?



私もDiet Cokeを片手にTurkey SandwichとChipsを食べるという、すっかり場の雰囲気に溶け込んだような気分に(溶け込んでいたのでしょう、きっと)。カントリーミュージックのファンはやや年齢層が高いという偏見を持っていたのですが、Rascal Flattsはもしかしたら特殊なのかもしれないけど、10歳ぐらいの子供から60歳ぐらいの成人まで幅広い層に支持されているみたい。中には3世代で来ているグループもあるようでした。



コンサート開始30分前になり、遠く離れた駐車場から15分以上も歩いてようやくPavilionの入り口に。私たちの席は完全自由の芝生席なので、6人入れそうなスペースをどうにか確保したと思ったら、すぐにコンサート開始です。



アメリカのコンサートは普通、前座のグループが最初に30分ほど演奏して、それから主役のミュージシャンが出てくるという構成、というのも初めて知りました。前座のグループ(名前は忘れてしまいましたが)はそれなりに有名らしく、ボーカルがすごく素敵な声だったのだけど、周りの観客は座ったままでのんびり。前座の終盤になって、ようやく盛り上がってきました。



Rascal Flattsの曲は本当にカントリーミュージック?といった音楽で、私にはポップスとジャズの影響が強いように思えました。聞いてみると、何曲もよく知っている曲があって、初めは傍観者みたいに聞いてましたが、気づいたら周囲と一緒に踊り・・・でも、ある曲で、ふと我に返ることに。



その曲はどの題名だったかわからないのだけど、曲の途中で軍人達が数名、舞台に現れたのです。行進して、舞台の中央で止まり、しばらく直立し、その後Rascal Flattsと挨拶をしてから、舞台を立ち去りました。



観客は軍隊関係者の登場で更に盛り上がり、白熱した雰囲気になりました。私は彼らに拍手をしながら、でも一方で「どうして軍隊のメンバーが出てきたのだろう?日本人である私がよく意味もわからずに手をたたいていていいのだろうか」と。そこで、周りを見回してみて、初めて観客の大半が白人のアメリカ人らしく(あくまでも雰囲気での判断です)、少なくともアジア人はコンサート会場で殆ど見かけませんでした。


コンサートの後で、友人に聞いたところ、特にカントリーミュージックのコンサートで軍人達が舞台に出ることがあるそうです。それは、やはり国を守っている人たちへの敬意を示す、というのが意味合いが強く、あとはミュージシャンがある意味自分達のイメージアップに貢献してもらっているという要素も否定は出来ないようです。


私は自らの命をかけて国を守っている人々には尊敬の念が絶えませんが、それでもアメリカ人の愛国心を日常のエンターテイメントの中で直接感じ、ただ単に楽しかったと言えないコンサートとなりました。